キーボード配列QWERTYの謎
- 作者: 安岡孝一,安岡素子
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
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漢字や文字コードの研究などでお馴染みの安岡夫妻の本です。安岡先生の本は資料的に面白いので本屋で偶然見つけて即購入しました。
「キーボードのQWERTY配列はアームの衝突を防ぐために,タイピストがなるべく打ちにくいようにをデザインしたもの」という話をどこかで読んだり,聞いたりしたことがある人もいるかと思います。私もどこかでそのような話を読んだことがあります。一見もっともらしい話なので信じてしまいそうになります。
そんなあなたにこの一冊をどうぞ。
内容を一言でまとめると,「QWERTY配列に関する誤った伝説を否定するために書かれた本」ということになります。
技術史の書籍として非常に興味深い本です。メーカーの思惑でこの手の仕様や規格が決まっていく様は昔も今も変わらないね。
惜しむらくはタイプライターの初期の開発資料がほとんど無いためなのか,1872年の時点ですでにQWERTY配列の原型ができあがっていて,どうしてそのような配列になったかがわからない点です。