腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

先月、神保町の本屋で買う本を物色していると、山本直樹*1のカバーイラストとタイトルが印象的な本を見つけました。「そういえば、ダ・ヴィンチでこの著者が対談していたなぁ」と思いつつ、手に取ってみたのですが、装丁がちょっと凝っていました。面白そうなので買ったのですが、いつもの如く積んでいましたが、何となく気になったので、昨日読みました。

登場人物がみんな強烈です。この話は元々本谷氏自身の劇団の公演用に書かれた話のせいか、みんなキャラが立っています。自分は特別な人間だと思いこんでいる澄伽。姉の澄伽を観察するのが楽しみな清深。家族を大切にしたいと思っているが色々事情があって悩んでいる兄の宍道。夫の宍道からの暴力を受けいれている待子。これだけ、キャラクターが揃っていれば、話が進まないわけがありません。特に澄伽を狂言回しとして話が進んでいきます。

一見澄伽が一番性格が悪そう(実際悪いのですが)ですが、実は……ってところがこの話の肝ですね。説明過多な部分が気になりますが、それなりに面白かったです。ちなみに、最後の章がなければつまらない話で終わってしまう危うさがありますが。

*1:十数年前はこの人のマンガが結構好きで読んでいました。一応、一般誌の方ですよ。えっと、森○搭の方は……