『フェンネル大陸 偽王伝 孤狼と月』

高里椎奈さんの新刊『フェンネル大陸 偽王伝 孤狼と月』(ISBN:406182371X)を読みました。
孤狼と月 フェンネル大陸 偽王伝 (講談社ノベルス)

高里椎奈さんというと“薬屋探偵妖綺談”シリーズが有名だと思うのですが、まだ読んでいません。“ドルチェ・ヴィスタ”シリーズの二冊だけ読んだことがあります。このシリーズを二冊読んだ後で謎な部分というか語られていない部分が残っていて、少々もの足らなかったです。その足らない部分を想像するという楽しみもありますけど。このシリーズはそのうち発売するであろう第三巻で完結するとのことなので、恐らく第三巻で話の全貌が見えてくるとは思うのですが。

本題に戻りまして、新シリーズ“フェンネル大陸 偽王伝”の『孤狼と月』です。講談社ノベルズとしては珍しく表紙には可愛い*1イラストが書いてあります。表紙の女の子はこの物語の主人公のフェンです。
この小説はフェンが順風満々だった環境から突然どん底の苦境に陥り、その何もかも失った苦境から人との出会いによって新しい環境で前向きになっていく物語です。
この物語はフェンに近い視点での三人称で書かれているため、物語の裏で何が起こっているのか全くわからないです。そのため、唐突に物語が変わっていくような感じがします。どうしてフェンが島流し?されるような状況になったのかなど。最近はミステリ小説ばかり読んでいたせいか、どこかで真相がわからないと不満気味になっているのでしょうか。
読後感は悪くはないです。でも、「先の展開はどうなんだろう? 早く先を読みたいな」といった感じがないのですよね。つまり、そんなに面白いというわけでもないということです。次の巻が出たら、とりあえず買ってみて読んでみようかなと思う程度には気に入っています。

2004-06-03 後半部分を追加。前半部分を書いた後に力尽きて寝てしまったので。

*1:西尾維新さんの本もあるから珍しいという訳ではないのかな